原宿エリアの不動産の活用 | ポップアップでカルチャー発信のリアル拠点づくり
東京の原宿で新たなカルチャーの震源地を。
サンフロンティア不動産株式会社(以下、サンフロンティア不動産)様にqutoriの「クリエイションの未来を共に切り開いていくブランド支援」の取り組みに賛同いただいたことがきっかけで、qutori傘下POPAP事業の「FEATURE BRAND」参加クリエイター支援を目的とした不動産提供による協賛をいただきました。qutoriでは2021年6月から1年間に渡り、企画・イベントのコーディネートを行い、原宿エリアでのクリエイターのカルチャー発信やコラボレーションを加速させました。
FEATURE BRAND制度とは
POPAPのメディアやSNSによるPR支援のほか、ポップアップイベントへ出店機会の創出や通期でのブランディングなど、ブランドの運営に関わる多面的なサポートをしています。2019年より募集を開始し、2022年11月現在、130ブランドを応援しています。ポップアップイベントを「一時的な販売機会」として捉えるだけでなく、コミュニティ醸成やブランディング、商品リサーチなどに積極的に活用することで、ブランドの世界観醸成と継続的な発展を目指しています。
事業背景と概要
コロナ禍による空きテナント増加に伴い、サンフロンティア不動産様より場所を有効活用して欲しいとの相談をいただき、ポップアップイベントの運営を継続して行いました。1年間を通して約80ブランドが参加し、カルチャー発信の拠点となりました。
企画コンセプト
〈テーマは「バルコニー」〉
キャットストリートは旧渋谷川遊歩道から始まり、ハイブランドから個性的なブランド、カフェやセレクトショップが連なっています。コロナ禍の変動の多い時期でも新規出店が相次ぐように、常に”動き”のあるエリアです。本企画を通して、竹下通りとキャットストリートの人流交差エリアの活性化を目指しました。技術革新や制度変更により人々が仮説的な試行をしやすくなる時代、モノ・コトの可動領域はより広がっていくと考えられます。ポップアップを通して、領域が広がった瞬間に外と内が融合する過程を表現しています。
開催されたポップアップを一部ご紹介
『青沼優介氏個展 SUPER SOFT LANDING IN TOKYO』
綿毛の作品をコンセプトに作品を作る青沼優介氏による個展。
今回の個展では、表現の幅を拡げるような新しい表現も取り入れることで、「腑に落ちる」ポイントを探求する場になったとのこと。
地下では青色と紫色のブラックライトが照らされ、幻想的な雰囲気が漂っていました。作品を間近で見ると、ここにも数多くの綿毛が敷き詰められていました。そんなB1Fのテーマは「MELTING FOCUS」。UV樹脂、たんぽぽの綿毛、アクリルの素材を使用して展示を展開。景色を眺めている時ほど、自ずと焦点を緩めている感覚があることから、生きている景色ほど焦点が合わないのかもしれない、そんなメッセージが込められています。
【フォトレポート】https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-oct31-nov10
ドレスブランド、HOUGA(ホウガ)による2日間限定の企画展示「HOUGAの国の物語 -prologue-」
“曖昧だけど、確かにどこかに存在している国の物語ー。”
偶然生まれたこの世界が自分に一番合っている世界とは限らない。
大人らしく、女らしく、男らしく、母親らしく...。
『HOUGA』のドレスは時代や年齢、性別などに関わらず、
すべての人の中に眠っている”自分本来の世界”と繋がるためのドレスです。
皆が自分自身の世界に辿りつけますように...という願いを込めて。
『HOUGA』は、“Unbirthday Party Dress”をコンセプトに、形や着方を自由に楽しめるドレスを展開しているドレスブランドです。ブランド名の『HOUGA』は、日本語の“萌芽”が由来となっており、意味は「芽生えること、きざし、閉塞感からの解放」。自分の中の多様な価値観や日によって変化する感情・感覚に合わせて、自由に自分を表現することができるドレスとなっています。
(PRTIMESより引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000040660.html
1Fでは『HOUGA』の2022年春夏コレクションの新作ルックがお披露目されました。
『HOUGA』 の定番スタイルは「複数ピースを組み合わせて作るドレススタイル」。今回は定番だけでなく、ドレス自体を分解し、カジュアルな日常のスタイリングに取り入れたスタイルも展示を通して伝えられていました。HOUGAの洋服を見て驚いたり、試着して気分が高まったり、お話をして愛着が湧いたりと、温かい笑顔が絶えない空間でした。
B1Fでは鏡で光を投影したインスタレーションが展開されました。
みんながそれぞれ自分の国を持つ「HOUGAの国」への入り口が鏡たち。鏡から壁に反射して映った光は、それぞれの自分らしさが広がる世界。様々な形をした入り口から、自分らしい国に入っていく、そんな世界観が地下の空間で表現されていました。
【フォトレポート】https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-jan29-jan30
禅をテーマに2組のデザイナーユニットが主催する自分の気持ちと向き合うためのポップアップイベント『zen』
禅とは、日常の中で私たちが無意識にしている自分自身と向き合うということ。ポップアップイベント『zen』では、“はっきりとしない自分の気持ちと向き合うための空間をつくります。
生活の中で自分自身と向き合う時間が増え、自分がどうありたいのか考えることも多いであろう昨今、本当に自分が「望むこと」「やりたいこと」「好きなこと」とは何なのか。自分自身と意識的に向き合って欲しいという気持ちから『zen』を開催します。”今”自分の思う未来へと打ち込んでいるブランドやクリエイターの作品や商品、そして対話を通して、多くの方にとって自分を見つめ直すきっかけになればと思います。
(PRTIMESより引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000040660.html
会場を鮮やかに彩った花たち。そんな『When people take flowers,』のショップにはこのような想いが込められています。
人々が花を手にするとき、どんなことを考えているのだろう…?そんな疑問をコンセプトにしたお店を持たないフラワーショップ。,(コンマ)の後にはあなたの気持ちが入ります。
様々ある花をから自分の好きな一輪を選ぶ時。その瞬間は、自分の直感や、心の奥にある気持ちと向き合う時間のように思います。自分へのご褒美や周りの大切な人に贈るプレゼントにぴったりなお花でした。
『putorOramp』によるキャンドルが展示。琥珀糖のようなキャンドルが展示されていました。透き通った透明のキャンドルにゴールドのラインが引かれていて、見るだけでうっとりするキャンドル。「Berg collection」としてケーキのようなキャンドルもあり、ふわふわとしてそうなビジュアルに思わず触ってみたくなりました。キャンドルとして使う他、インテリアとして部屋に置いて楽しむよう2つ購入する方もいらっしゃいました。
モデル『saya』による洋服と小物は、可愛らしくてガーリーなアイテムが並びました。見るだけでもキュンとするアイテムは、身に着けると普段よりも女の子な気分になりそうでした。
【フォトレポート】https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-052829-lhj8g
ジャンルを超えたアート作品のコラボレーション。『DIZM』『アトリエラジオ』
初の展示会を開催した「Dism」は地下ならではの暗さを利用し、空間インスタレーションを展開しました。プロジェクターでの投影や空中パネル展示など、スタイリッシュながらも異空間に入ったかのような不思議な感覚に包まれていました。
3名のクリエイターが共同展示を行った「アトリエラジオ POPUP展!」。ジャンルを超えたアートを1Fの空間いっぱいに展開されました。最終日にはライブペインティングも行い、感染症対策はしっかりとりながらも盛り上がる展示会となりました。
【フォトレポート】https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-oct3-7
FEATURE BRAND、クリエイターと作るフリーペーパー「hello, 」の新作episode-02を刊行。HIBICA神宮前にて刊行記念イベントを開催!
テーマ「ふたりだけの周波数で話す」
zineの世界をコンクリート空間で表現しつつ、zineの中で紹介したアーティスト/クリエイターの絶対的な価値観が揺らぎ、一人一人がどんな価値観を大切にしたいのかを問われている今。誰かの思想や哲学はときに自分の救いとなり、自分の中にある言語化できていない何かを代弁してくれていたりする。そんな観点から、自分の価値観や感性と真正面から向き合って表現を続けるアーティストやクリエイター、ブランドの思想や哲学に迫りました。
私たちは雑音の多い社会で生きていく中で、無意識のうちに対面する人や場面によって周波数をチューニングして生きている。そんな中、人はどんな周波数に合わせることを大切にしているのだろうかー。
2階のエントランスでお出迎えするのは、あたたかな筆のタッチで、ひときわときめくharuzionさん。
文筆家・大橋凛太郎さんは、コロナ禍の日々の日課に、何気ない写真の記録を添えて過ごしていたのだとか。彼独自の感覚でしか捉えられないファインダー。2度と来ない世界の味わいを、しばし共有。
思わずくすっと震わせるものもあれば、じっくり咀嚼して味わうものまで。足を止め目を止め、見入ってしまう作品たちがずらり、でした。
【フォトレポート】https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-oct-30
●そのほか開催POPUPのレポート記事を一部ご紹介
『AKIKOAOKI』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica0323-0324
『RATIONALOOP』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica0326-0401-7r7wf
『KANKAKU NO IBASYO』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica0408-0410
『SCǍI TOKYO』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica0423-0424-b2mt5
『たしかに 私はそこにいて。』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-0507-0508
『BLANK』
https://www.popap.biz/magazine/hellopopup-in-hibica-0514-0515
HIBICA神宮前のプロジェクトを担当した運営メンバーにお話を伺いました。
Q:1年間どのように運営されていたのですか?
「出店者の方々と密なコミュニケーションを重ねながら、サポートに注力しました。具体的には、保険の契約、展示入れ替え調整、レンタル機材・什器の手配、などをしました。ブランドさんが、安心しながら機動的にイベントや展示会を実施できるような体制を組んだことで、大きなトラブルなく運営ができたと思います。」
Q:ブランドさんは、それぞれどれくらいの期間出展されていましたか?
「金曜日からの3日間で搬入から搬出までスケジュールを組むことが多かったです。長めのポップアップですと、3週間程度開催されたものもあります。出店しやすい条件設計したことで、ブランドさんにとってポップアップに挑戦しやすい環境になったと思います。」
HIBICA神宮前のプロジェクトが始動した当初は、原宿・キャットストリートのエリアで何もない場所にどのようにカルチャーを根付かせたら良いのか試行錯誤を重ねる日々だったと語る運営メンバー。その日々は、シンプルに関係する皆さんにとっての”ベスト”を探るものになりました。イベントごとにプロセスを改善させ、回を追うごとに運営クオリティが高まり、出店者の皆様、サンフロンティア不動産様からは次のような感想をいただいています。
「原宿といういい立地で、さらに地下という空間が良かったです。」
「とても楽しい空間をありがとうございました。打ちっぱなしの壁、地下の空間のおかげで非常に雰囲気の出やすい素敵なイベントができました。」
「今回初めてのPOPUPでしたが満足できるものができたと感じております。そして私自身がなぜブランドをやってるのか誰に届けたくてここまでやってきたのか実際にオフラインの場を作らせていただいて、会場に足を運んでくれる友人やお客様と話す中で私が活動する理由を思い返すことができた機会でした」
「会社としても取り組みの幅を広める機会になり、社内でも話題になった。引き続き取り組みを一緒にしていきたい。」
「使っていただきありがとうございます」
このように、ユニークな空間とブランドのクリエイションが作用することで、単なる不動産の利活用という枠を超えることができました。それは、クリエイションの未来を共に切り開いていく人々と、そこに共感するパートナーとが結束できたからこそであり、ポップアップでカルチャー発信のリアル拠点づくりを実現することができました。
qutoriでは商業施設などの空きスペースを活用したイベントを、独自のノウハウでポップアップコミュニティに所属するクリエイターと場を盛り上げながら企画から実施まで一貫して行っています。
ポップアップイベントで空きテナントの活用などをご検討されていましたら、お気軽にお声がけください。
お問い合わせはこちら: https://qutori.jp/contact
FEATUREBRAND支援制度について:https://www.popap.biz/fbpp